ルーティンワーク 前半

22歳54話

 カーテンを突き抜けた西日の熱い日差しでいよいよ目覚めなければならないようだ。何時間前だろうか?おばあちゃんが二階のベランダに出て洗濯物を干している音も聞いていたはずだった、それは半ば夢の様ですぐにまた僕は眠りについた。そして目覚める1時間前にはおじいちゃんが僕のタバコの吸い殻を捨てにノックもせずに部屋に入って来ていの一番に灰皿を回収しにくる。そこからまた1時間ほど眠り、やれやれそろそろ起きるか…といった具合だ。寝る前には吸い殻で満タンになった灰皿代わりにしていたでかいマグカップが綺麗さっぱりピカピカになって枕元に置いてある。眠い目をこすりながらタバコに火を点けてまず一本…ソフトパックのタバコの残り本数を数え、今日は何時ぐらいにコンビニへ行こうかと思案してみる。一階に降りていき昼飯をおばあちゃんに作ってもらいご飯を食べ終わると自家製の甘いブラックコーヒーが入った一リットルの入りの冷水筒と牛乳を冷蔵庫から取り出し1・1の割合でガラスコップに作りそれを二階の自室に持っていく。布団の上でミルクコーヒーを飲みながらタバコをもう一本…就寝時間は日に日に遅くなっていき今年の春ごろまでは深夜2時か3時頃だったのが今では太陽が昇るのと入れ違えで眠りについている、今日なんて両親が出勤の準備をしている生活音をBGMに布団の中で目を閉じている。こんなニートの為に朝早くから会社に向かう両親には本当に申し訳ない気持ちになった。

 そろそろ本格的な冬の季節になろうとしている、僕は1年前に母親に買ってもらったカーキー色のダウンジャケットと子供の頃に震災で援助物資として貰った防寒用の灰色のズボンを履きバイクに跨った。家からバイクで5分ぐらいの場所にあるコンビニに行き、店に入るとまず本が置いてある週刊誌を手に取りそのままレジへ、そこで280円のロングピースを一箱と週刊誌2点を買うのがお決まりだった。週刊誌は月曜日はプレイボーイ、火曜日はSPA、水曜日はタバコだけ、木曜日は週刊新潮と週刊文春、金曜日はフライデーと曜日ごとに異なる週刊誌を買っていた。僕のよく行く時間帯にいる若い店員さんにハイライトからロングピースに変わった時、「タバコ変えられたんですね」と声をかけられたことがあった。あのお兄ちゃんは元気にしているのだろうか?いつも接客する時だけ、かわす言葉もほぼないのだがお互い笑顔でやりとりしていたのはすごく覚えている、友達でもないのにすごく懐かしくて親しみの感情が湧き上がってくる。会えるのならなんか会ってみたいな、あの時のニートですって。

以上 一日のルーティン前半 後半に続く…

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