18歳7話

 夏休みが終わった、、、終わってしまったという感覚もなく寂しさよりは充実、小中学生時代の友達と会えて嬉しいよりも楽しみの方が大きかった。高校を卒業して一瞬狭まった交友関係がまた広がり満たされたような気持になる、連絡先を交換しまた近々会う予定だ。専門学校に入学した時早く友達を見つけようとしていたが夏に遊んだ連れがいるなら今の学校で友達なんていらないんじゃないかとさえ思えてくる。そうなのか?今の自分は何が楽しいのか、目的はあるのか、毎日金で買える娯楽を消費しながら充実してるふりをしながら毎日を過ごした 幼馴染との遊びさえもただ消費しているだけなんじゃないのか?頭の片隅にそんな考えが一瞬ちらつく。

https://www.village-v.co.jp/☚ヴィレッジヴァンガードというお店を知ってますか?そのお店は雑貨店であり本屋であり音楽のお店でありエログロが混ざったごった煮のサブカル店なのだが、その日学校があるのにもかかわらず朝10時過ぎに僕はそのお店にいた、通学途中自転車のタイヤがパンクしてしまったのだ。いつも通学で走るルートのちょうど中間地点でそれは発生してしまった。その場所からバス停も電車も距離がある。学校までは自転車を手で押しながら行くという選択肢しかない、、、1限はもう間に合わない、2限から行けばいいものを若干完璧主義な自分が2限からの授業を拒み始めた、学校に行っているのに1コマ無駄にするような、何か欠けたような、自分のミスに腹が立つような、遅刻して1限を取りこぼすのを認めたくないような、、そんな考えを巡らせた挙句出た答えが今日丸一日学校に出ない事で学校の授業が無かったということにしようという暴挙に出た。だがしかし、案外この考えと行動は精神的な安心感をなぜかもたらしてくれた。責任も自覚も何もない学生の裁量権ほど無敵なものはない。                               自転車屋さんを見つけるために街を自転車を押しながらうろうろしていると雑貨店以上エロビデオ屋未満の匂いがするお店が視界に入ってきた、と同時に自転車屋さんも視界に入ってきたではないか。一兎追うもの二兎得る、、、すぐに自転車を店に預け件のお店へ臨んだ。お店の中はというとまぁ想像通りのお店だった、特に音楽コーナー、小説コーナー(文学少年なんぞうの影響で夏休みに小説を読んでみたりもしたから)を漁りなんと自堕落で贅沢な学生なんだろうと思いながら、三島由紀夫の『仮面の告白』を立ち読みしながら学校をサボる蜜を味わった。

 『時間は何より大切だという事を感覚的には理解できてもなぜそうなのかが今でも少ししかわからない』

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