ひきこもり

過去の話

20歳27話

任務完了  自分の机の上に留学サポートセンターから貰った資料が無造作に置かれている。僕はそれを眺めながらホッとし、何かやり遂げた後のような満足感と安心感にしばし浸っていた。何をやり遂げたかというとこの何もない人生で何かをしたことだ。人生に空...
過去の話

20歳26話

小旅行  「イギリス留学に興味があるんですけど…」追い詰められた債権者が夜逃げの相談を闇業者にこっそりするように会話を始めた。向こうの電話口で女性の人がいきいきと「そうなんですね、弊社のホームページはご覧にいただけましたか?」と、僕の内向き...
過去の話

20歳25話

鍋さんと同じ道へ?  街の中心部から二駅位離れたJR線の駅を降りた僕は携帯電話のメールボックスをたびたび確認し待ち合わせ場所に来るかどうか分からない鍋さんがいる場所へ駅から南へ向かった。バイト中いつものように鍋さんと談笑していて思ったより話...
未分類

20歳24話

深夜番組とチキンラーメン 2003年がもうすぐ終わろうとしている、学校退学後(厳密には二年分の学費を払ってもらっているので在学している期間は2004年まで)僕の生活は明らかに昼夜逆転をし始めて起きている時間が昼から夜に知らず知らずのうちに移...
過去の話

20歳23話

時を超えて示してくれたこと 夜8時頃、彼女が車の助手席で握った手を太ももに置いたままじっとうつむいている、それに気づいたのは僕が彼女の家の前で少し話をしてから見送ろうかととりとめのない会話を彼女に投げかけた時だった、彼女からの返事はなかった...
過去の話

20歳22話

宅録  10月を過ぎた辺りだろうか、バイトがない平日夜に幼馴染達と僕の家で集まることが多くなった。集まるのは僕を入れて三人、メンバーはなんぞうとジィー君(小学二年生の時に同じクラスになってからの友達)でこの三人は仲がいい事と家が近いという理...
最近の事

頭がぐつぐつ

貯金箱と足るを知る  専門学校退学後のフリーター時代、週末3連勤のバイトを終えるとよっぽどの事がない限り僕は彼女の家に寄って遅めの晩飯を食べていた、そして食事中に必ずすることがあってそれは3日分のバイト代(即日現金払い)を彼女の家にある筒型...
過去の話

20歳21話

秋風蕭条 秋は僕が一番好きな季節だ、過ごしやすい陽気、この匂い…秋が来て友達なんかと街へ繰り出すと決まって鼻で大きな深呼吸をして『いい匂いやな~』と満足げにいつも言っていた。一年の終わりに差し掛かり次の年まであともう少し…一年を振り返るのも...
過去の話

20歳20話

昼夜逆転  学校の追試、補修授業を横目に自分の自堕落な生活がのそのそと這うように歩み始めている、週末のバイトはいつも深夜二時に終わりそこから後片付け(レジの締め、掃除、セコムセキュリティーのセット等など)その後店前で同僚とタバコを吸いながら...
過去の話

20歳19話 

タバコ合法化 バイトを始めてもうすぐ3ヵ月が経とうとしている、仕事も大体覚えてきて緊張感もだいぶなくなってきた。タバコ休憩は店長のゴーサインがあった時だけ許されたがバイトの人員が増え店長とシフトが被る日が少なくなってきて店長がいない日は鍋さ...