20歳39話

それで留学の事は?

 留学の件はどうなったかというと、留学の準備も留学サポートセンターへ連絡も一切せず、それを考えるもののたまにすっかり忘れていることもある。彼女と留学の事を話し合った事もあった。彼女は卒業すると他府県に出て働くと言っていたので、当然そこから別れ話にもなった。彼女はすごく深刻そうな顔をしていた。自分の中では考えがあって留学は五年以内にすればいいと決めた。僕は懲りずにモラトリアム期間を自分の人生にまた敷き始めた。本当はしたいことはない。今はぐうたら生きていたい、明日できることは明後日すればいい。今日することは勝手に成功している自分を想像して満足すること。目的地への道は初めの一歩、だけどその一歩より布団で好きなだけ惰眠を貪る欲が今は圧倒的に強い。

 毎週末の家族でする焼肉パーティー、平日は昼夜逆転生活で定期的に夜幼馴染との集まり、たまに彼女の家に行ったり、夜はよく行くレンタルビデオ店で借りた映画を観てそのあと朝方までゲーム。平日朝までゲームをしてそろそろ眠ろうとする時に家族が起床し仕事の支度をし始めそれぞれ家を出ていく。毎日この瞬間は罪悪感を覚える。ただのニートを養うために仕事へ行く家族に申し訳なさを感じる。9時過ぎになると膝が悪い祖母が二階のベランダに洗濯物を干しに「よいしょ、よいしょ」と言いながら重い洗濯籠を持ちながら階段を上がってくる。僕は祖母が二階のベランダでスリッパを履きパタパタと音をさせながら洗濯物を干す光景を遮光カーテン越しに見ながらゆっくりと眠りについた。

ブログするなら↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

過去の話
スポンサーリンク
スポンサーリンク
ねこのはいかいをフォローする
タイトルとURLをコピーしました