気まずい正月

22歳56話

ニートになって初めての正月(正確に言えば二回目で一回目は専門学生三年生として正月の親戚の集まりに参加した)なので親戚のおっちゃんから今何しているのと聞かれると答えづらく、「今は何もしていないのよ」と力なく答えるほかなかった。周りの兄弟やいとこ達は大学院生や大学生ばかり、姉は大学を卒業してすでに働き始めている。まぁ新年会はいつも昼過ぎには終わってくれるので少しばかりの間自分の不甲斐ない姿を晒せば時間が解決してくれ気付けばそのイベントが終わってくれた。思えば自分以外の周りの人たちはそこまで自分の事を考えてはいないものだ。家にわざわざ来てくれた親戚を送り出し、酒で顔が真っ赤になり胃はすき焼きの具材で甘ったるく気持ち悪くなった身体を何とか自室の布団まで持っていき深夜くらいまで仮眠をした。ニートになるとこんな問題が起こるのか…ニートを晒してしまう問題…今日は父方の親戚だったが、母方の親戚に会う時も同じ現象が起こってしまう。母は嫁入りした身なので母方の親戚に会うには地方まで行かなくてはならない…そうだ、行かなければいいんだ。以来、盆暮れ正月母親が田舎に帰る時に一緒に行かないかと誘いを受けたが僕はいつも断りを入れた。父方の親戚が集まる時は僕の実家なので逃げる事は出来ない、なので親戚に会うのは実家での正月のみになった。母親の大切な故郷の人たちに少しの篤実もなかった自分が冷酷にさえ思えた。      不都合ではないが情けない、開き直りたいがそれが出来ない。それでいてそこまでむず痒くもない。次の正月までは一年あるのでそんな気持ちはすぐに忘れられることが出来る。お年玉、すき焼き、お年玉で賭けたおいちょかぶ、いとことPS2で遊んだり…それはそれでいい一日でいい思い出になった気がする。だけど次の正月までに何者かにはなろうとは思わなかった。だってニートが好きだから。

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