21歳49話
真夜中、僕たちはとにかく騒いでいた。こんな楽しい日々が永遠に続くんじゃないのかと思うくらいに大声を上げて笑っていた。ビールにタバコ、おつまみ、音楽。なんぞうは酔っぱらいながらギターを弾き隣で寝ている両親の事なんか気にせずアンプから爆音を垂れ流していた。ジィー君はなんぞうのギターに即興で歌いだし、僕ははにかみながら二人を見ていた。考えなきゃいけないことはこんな日々を沢山送ること、そしてしなければならないことを出来るだけ先延ばしにすること。 もう決まった、僕の目標が。僕はまだ21歳、大学生で言うとまだ三年生なのだからまだ卒業まで一年あるし大丈夫だろうと謎の理屈で自分を鼓舞した。22歳になれば何かが始まるだろう、それまでこんな感じで酔って騒いで寝たいだけ寝ればいいんだ。だって今まで熟睡というものをしてこなかったし、今のうちにやりたいことをやっておこう。これがやりたいことなんだから!!明け方の5時過ぎ多幸感でいっぱいになったまま二人を見送りタバコの匂いが充満した自室でにやにやしながら床に就いた。
昼過ぎベランダから差し込む日差しと床を這うひんやりとした空気のなか目覚め、起こした身体が軽く感じた。学生でもない、誰の彼氏でもない、どこにも所属していない自分、責任も何も与えてられない自分の身体がこんなに軽やかなのか。タバコに火を点けて朝一番のロングピースのタールが身体に気持ちよく入ってゆく、軽く綿のように感じる身体が重い充足感を覚えていった。
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