元カノと散歩

22歳59話

 街の中心から二駅ほど西にあるJR駅で元カノと待ち合わせをし、その後落ち合った二人は挨拶もそこそこに歩き出した。元カノはすでに働いており兄弟と隣の県で暮らしているそうだ。福祉系の仕事で毎日残業があること、少し変わった会社なこと、家から遠いこと。一体何を話しているんだ。そもそもなぜ会うことになったんだ…   電話番号やメールアドレスはもちろん消してなかったし、何となくお互いの近況を伝え合っていくうちにじゃあ会おうかになってしまった。彼女から今何か仕事しているの?と聞かれ反射的に「うんしているよ!まぁ家具系の会社かな」とどえらい嘘をつき、恥ずかしさでどこかに穴があれば入りたかったもんだ。「ちゃんとオフィスのある会社なの?」「うん、まぁあるよ…」こんな会話をはやく切り上げてたわいもない会話をしながら一時間は歩いた。何気のない会話ばかりだったけど終始楽しく過ごせて彼女はとても満足そうだった。いつもと変わらない可愛い笑顔が僕の心を落ち着かせた。「また会う?」僕が切り出した。「うん!」彼女の返事でなんか自分の余命が伸びた気分になった…

過去の話
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