ニートも板についてきた

24歳64話

 週刊誌の山、枕元は灰まみれ、寝床の前にあるテレビ周りはゲームソフトとエロdvdで溢れかえっている。着る服は上下共いつも同じ種類の服、風呂に入るのは週に一回で一度週刊プレイボーイを開けそこにどれだけフケが溜まっているのか髪をゴソゴソした事があったがグラビアアイドルのカラーページがフケで埋まりそうになったことがある。お昼寝をして夕方目が覚め間違えて一夜を越したと勘違いする事。たまにする筋トレ。タバコと甘い自家製コーヒー。三日に一回のエロビデオ屋(裏)深夜のバラエティー番組、一回のカロリーが高い一日二食の飯、週末の家族団らん。いつまで続くんやろ、いや、いつまででも続いていいけど時間が経つのがこんなに早いとは思わんかった。若い時って時間が経つのが遅く感じるっていうけど、体感で言うと三年間が一年位の感じや、振り返ってみたところで後悔も特にない、今だ続けている衛星映画劇場のDVDRへの録画も毎日の唯一のルーティンワークとしてはやめられないものがある、ただそこには希望はない。希望というより逃避、どこまで行っても空想的で夢想的な生活だった。そこに人として、二十歳を超えた社会人としての責任なんかなかった。だからまだこのニート生活は続くんやろうな。そういえばニート生活のトータル五年間でCDはあまり聴かなかったな、なんでやろ、CDもコンポもあるのに。ニート生活序盤の幼馴染との集いがめっきり減ってからやったな。

 この頃にはなにがどうなってニート生活になってしまったのかさっぱり分からへんようになって、まるで自分の人生がニート生活の始まりと同時に起こった気がして19歳くらいまでの人生がむしろ夢だったんじゃないかとさえ思えてくる。突然泣き出すことも、その後自傷行為をすることもなくなりいよいよ無感情で僕の理想だったチャタテムシになれたようだ。モラトリアムの期限まであと一年、何かが動き出すから大丈夫。

過去の話
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